皇帝ウミウとアシカとアジサシ [パタゴニア]
ビーグル水道のクルージング船は、無人島で観光のための停泊をし、丘からの景色を楽しんだのち、再び、走り始めた。
次のビューポイントは、皇帝ウミウのコロニーとアシカのコロニー。
岩ばかりの小さな島に皇帝うみうは、住んでいた。
皇帝ウミウは、ペンギンにそっくりだが、飛ぶことができる。
写真右下の首が灰色の鳥は、カモメ。
海といえば、カモメだが、ここではカモメは少数派だ。
小さな島は皇帝ウミウで埋め尽くされていた。
大きな声でがーがーとどなりたてていて、そのかしましいこと。
こちらにも。
岩の小島の海岸に近い下のほうには、アシカがごろごろと寝そべっている。
こちらの島は、アシカがいい場所を占領している。
まわりに皇帝ウミウとカモメがいる。
アシカは目をつぶって寝ているようにみえる。だいたい、どこに目がついているのかさえ、よくわからない。とても静かだ。
ここもアシカがごろごろ。
午後3時を過ぎた時間なので、もうおなか満腹なんだろうか。
惰眠をむさぼっている様子はあんまり可愛くない。
生き物の中で、なめくじは、みただけで卒倒しそうになるほど嫌いだけど、ここのアシカをみていると、巨大ななめくじをみているような気分になってきた。
気を取り直して、可愛いアシカを大写しにしよう。
小さいアシカは、人間の子どもと同じで、好奇心いっぱいに動いたりきょろきょろしたりしている。
アシカとアザラシの違いの大きな点として、アシカは前足を使って前進するそうだ。
アシカの子どもの姿勢を見ると、前足で体を支えているので、アザラシではないことがわかる。
船は皇帝ウミウやアシカのコロニーの島のそばで、漂ったのち、また次の島に向かう。
次はなんだろう? 説明もなにもないので、みてみないとわからない。
白い鳥がいっぱいいる。
これはアジサシだということが、後でわかった。
カモメ科のアジサシ属だから、カモメでもいいわけだ。
岩の小島で羽を休めているアジサシは、なぜか、みんな同じ方向を向いている。
ここのアジサシも同じ方向を向いている。
その方向にどういう意味があるのだろうか。
整然と並んで小島を占領しているアジサシ。体育会系とみえる。
船はそろそと小島に近づく。
と、そのとき白い制服の整列があっというまに乱れ、アジサシは一斉に飛び立った。
わ~~~~~~~、ど~した~~~?
アジサシの乱舞と岩ウミウの巣作り [パタゴニア]
アジサシが一斉に舞い上がる。
いままでにも、数羽のアジサシは空を飛んでいたのに、なにをきっかけに一斉に飛んだんだろう。
船が近づいたのを危険と認識してリーダーが合図を出したんだろうか。
どこへ飛んでいくんだろう。
どうやら遠くに飛んでいくつもりはないらしい。
空高く飛び回っている。
羽が白いので、空や海の色を背景に、とても見ごたえがある。
はじめにいた岩礁のまわりにまた戻りはじめた。
次は岩ウミウのコロニー見学が待っていた。
めずらしく観光船とすれ違ったところにある岩礁が、岩ウミウのコロニーだった。
上の写真の岩礁の上部はこうなっている。
岩の上のほうには、アジサシらしい鳥が飛んでいる。
岩ウミウは崖のところに巣を作っている。
皇帝ウミウと岩ウミウの違いがそのときはよくわからなかったが、写真でみると、岩ウミウは首が黒い。
岩に海藻かなにかを敷き詰めて、平らにして巣にしている。
巣でペアになっている。
ひながいるような雰囲気だ。
この岩礁の岸辺で泳いでいた鳥は、ずんぐりむっくりで、ここの風景には似合わなかったが、きれいに撮れたので。
だいたい、水に浮かんでいる鳥はここではあまりみかけない。
ウミウもアジサシも陸地で休んでいる。
さて、時のたつのを忘れて、大自然の営みを眺めているうちにに、もう帰る時刻になったらしくて、船はまた、灯台まで戻ってきた。
この灯台は、今では太陽エネルギーで発電しているそうだ。
ウシュアイアに入ってくる船のために、1919年にアルゼンチン軍によって建てられた。
この辺は、岩礁が多くて危険なので、赤と白で塗られてわかりやすくしている。
クルージングも終わりなので、遠くに見えている山を思い切り望遠にして記念に撮る。
標高は高くないけど、3000m級の険しい山の雰囲気を持っている。高くても1500mほどらしい。
これも同じく記念写真。
ウシュアイアの港まで戻ってくると、色鮮やかなコンテナ船が停泊していた。
船の中で、前の席に座っていた赤ちゃん連れのご家族の許可をもらって、記念写真を撮らせてもらった。
夕方6時過ぎに、ウシュアイアに帰り着いた。
ウシュアイアの目印になる観光看板が青空に映えていた。
朝焼けを映したエンセラーダ湾 [パタゴニア]
12月3日
ウシュアイアで2度目の朝を迎えた。
昨日の朝の空がきれいだったので、今日もきれいだろうと思うと、おちおち寝ていられない。
朝早く港が見下ろせる階段の踊り場まで行って、港をみるが、いかにも早すぎた。
出直し。
1時間ほど眠ってしまったので、あわてて階段踊り場まで行くと、朝焼けショーはすでに始まっていた。
手前は、ビーグル水道のエンセラーダ湾、細い陸地は、空港のある半島につながっている。
その向こうは、ビーグル水道のウシュアイア湾。
手前のエンセラーダ湾が鏡のように空の雲を映している。
エンセラーダ湾は湖のようにみえるが、ビーグル水道に続く湾だそうである。
かなり奥まっているようで、出口はみえない。
観光用のヨットが停まっているほうが、ウシュアイア湾。
以下、30分間のできごとを撮った中からピックアップする。
お日様が出てくるところが赤くなってきた。あと少し。
日の出直前。
日の出の瞬間。
一気に明るくなる。
手前のエンセラーダ湾に映った雲が本当にきれい。
日の出完了。
この間、いっぱい写真を撮った。どれも同じような写真ばかりだが、刻一刻を刻んでいて、捨てられない。
日の出完了後のエンセラーダ湾。