雪山を見ながらハイキング [パタゴニア]
エル・チャルテンにバスが到着したのは、お昼の12時をまわっていた。
ホテルでくつろぐ間もなく、すぐにお弁当を持って、ハイキングに出発。
ホテルから10分ほどの登山口まで行くと、そこからは急な坂道を登っていく。
しばらく登ったところで、マルガリータ滝がみえてきた。
なんということもない滝だが、昔、ここで、マルガリータという女性が行方不明になったというので付けられた名前だ。
道をはずれて一歩踏み外すと、川まで転落してしまうようなところなので、行方不明というのもありそうなことだ。
下に流れているのはフィッツロイ川。
そうそう、私たちはフィッツロイ山を見るためにエル・チャルテンにやってきたのだ。
その山と同じ名前の川。
目的の山はさっぱりみえないけど、川の景色だけでも十分、みごたえがある。
おなかがすいてくるし、くたびれてきたのだが、ここまできてまわりを眺めてみると、やっぱりきて良かったと思う。
赤いノートロの花が満開で、色を添えている。
岩山は、ドス・コンドレス山、意味は、コンドルの巣のある山、だって。
白い糞がたてに流れてみえるところに巣があるんだ、と教えられてもよくわからない。
コンドルが、ほら、飛んでいるよ、と、ときどきガイドさんがいうのだが、小さくてみえない。
30分ほど歩いて休憩。
集団についていくのがやっとこさだったが、ようやく追いついた。
なにしろ、一眼レフの重いカメラをぶら下げているのだ。
コンパクトデジカメにしようかと思ったが、やはり一眼レフの魅力に勝てなかった。
山の奥に進むにつれて、木が多くなる。
木の根元はたんぽぽの花盛り。
ランの花も自生している。
調べてみると、この花は、Orquidea amarilla、これスペイン語。英語ではChloraea alpina。
よくわからないけど、アマリラということにしよう。
日本の植物園でみたこともあるように思う。
ほとんど人間はいないのだが、突然、若者の男女がジョギング姿で追い抜いていった。
登山の訓練をしているとのことだった。
こういう道がずっと続く。
よく整備されている。
白いアネモネの原種もいたるところで満開だ。
少しずつ、視界が開けてきて、大きな川と雪山がみえてきた。
息を呑むほどの絶景だ。
雪山は、氷河が流れている。
自然のままに流れる川。
家が一軒もみえない。
川のところを拡大するとこう・・・
セロ・トーレ展望台でお弁当 [パタゴニア]
お昼過ぎにエル・チャルテンに着くなり、お弁当を持って、ハイキングに来たのはいいけど、おなかがすいてしまって、どこでお弁当を食べるのか、気になって仕方がない。
だが、ガイドさん、曰く、おなかが満腹になると、歩きたくなくなるから、目的地に着いてから食べる、とのこと。
が~っかり。
アルゼンチンの夕食は午後8時すぎてからなので、昼食が午後2時、3時になっても、おかしくないらしい。
往復8Kmのコースだし、ある程度、登ったところからは平たんな道なので、案外早く、目的地の、セロ・トーレ展望台に到着した。
外国のグループの方々も展望台でくつろいでいた。
いよいよお弁当。
といっても定番のおにぎりではなくて、もちろんサンドイッチ。
セロ・トーレ山は3102m。
きっと真正面にそびえているに違いないが、雨模様なので、まったく姿をあらわさない。
それでも、雪山と川とお花を見ながら、サンドイッチをほおばると、幸せいっぱいになってくる。
さて、ここからは、来た道を引返すだけ。
みんなに着いていくのがやっとで、写真を撮るどころではなかったのだけど、下りでは、お花の写真を撮ろう。
だが、山岳エキスパートのガイドさんは、すたすたと行ってしまう。
これでもすごくゆっくりペースのつもりらしい。
このような山道で、ときならぬ大集団が早足で追いついてきた。
イタリアから来た観光客のグループだそうな。
先に行ってもらうことになって、ほっとした。
ときどき、険しい山が雲の中から顔をのぞかせる。
ぎざぎざの山も。
登るの、大変だろうね。
どんどん山をくだっていく。
エル・チャルテンの方角は晴れている。
男女ペアのハイカーに、また追い越された。
ついにエル・チャルテンの町が見えてきた。
山岳ガイドさんの足はいよいよ速くなる。
ようやく町まで降りてきた。
泊まったホテルはこういうところ。
とっても小さいホテルだが、ここエル・チャルテンには大きなホテルはないのだ。
写真に写っている建物は、朝食付きのホテル。
写ってないが、この建物の隣に、素泊まりができて、食事も作れるらしい山小屋風の建物がある。
そちらは、山登りの人たちが使うそうだ。
さらにその手前には、テントを張るスペースがあり、2つほどテントがあった。
山に行く人たちは、ホテルなど使わないのね。
ホテルの庭のルピナスは、まだつぼみが多かった。
このホテルでは、夕食は出ないので、近くのレストランまで行った。
素敵な雰囲気のレストランで大いに満足した。
夜の8時から食事だったが、まだ明るかった。
ここでは、肉も出たが、チーズとハムのタルトが前菜で出てきて、これがすこぶるおしゃれな味。
ビールがおいしく飲めた。
フィッツロイ山塊のビューポイントまでハイキング [パタゴニア]
11月27日
エル・チャルテンでの最初の朝を迎えた。
朝早く、目が覚める。夏至にあと1ヶ月という時期なので、早くから外は明るい。
町外れの橋までいくとフィッツロイ山が見える、というので、朝食前にいそいそとお出かけ。
だが、ホテルの裏山には虹がかかっている。
日本では虹というと、雨上がりにみるものと相場が決まっている。
だが、パタゴニアではそうでもないらしい。
虹があると、その辺は水分が多いということなので、雨が降る可能性が高い、というようなはなしをガイドさんから聞いた。
橋まで歩いて10分ほど。お日様がさして、とても気持ちのいい朝だ。
フィッツロイが見えるはずの方角には、残念ながらフィッツロイらしき山は見えない。
別の方向の山の向こうに雪をかぶった山が見える。
拡大してみよう。
後で聞いたところでは、これはソロという山だそうだ。
ソロというのは、音楽でいうソロと同じ意味で、単独ということだそうだ。
つまり、この山だけフィッツロイ山塊から少しはずれている、ということ。
フィッツロイ山は、3405m、ソロは2121m。かなり低い。だから雲に隠れていない。
町の方角に見える山もかなり低い山ばかり。
晴れているから、そのうち見えるかも・・・と期待していたのだが、朝食を済ませて、出発するころには、今にも雨が降らんばかりのお天気になった。
やっぱり虹のお告げだ~。
で、出発当初から、雨用のズボンと上着を着ていくように指示があった。
これは大正解。すぐに雨が降り始めてしまった。
だが、景色が素晴らしいので、雨もあまり気にならない。
昨日と似たような川が流れているが、昨日はフィッツロイ川、今日の川はラス・ブエルタス川。
景色もどことなく似ている。
で、前回記事で、写真を間違えてアップしてしまったので、前回記事を全面的に書き直した。
ここまでくると昨日とは異なる風景になってくる。
今日の行程は10kmある上、雨に降られたりして、レンズが濡れてうまく写真が撮れない。
2時間ほど歩くと、目的地のカプリ湖に到着した。
ここからフィッツロイ山塊が見えることになっているのだが、まったくみえない。
とにかくお弁当だ。
雲が真綿を引きちぎったように飛んでいく。
お弁当を食べているうちに少しずつ晴れてきて、少し山が見えてきた。
サンドイッチがおいしい。
昨夜のレストラン特製のお弁当だそうだ。どうりで、おいしいはず。
空が晴れてきて満腹になって、幸せ感があふれてくる。
拡大してみる。
一番右に見えている稜線がエレクトリコ、2257m。
三角にはっきりと見えているのは、マドセン、1806m。
左の切り立った壁はポインセノット、3002m。
ようやく3000m級が見えた。
このあたりの山は、山が好きな人たちにとっては、あこがれらしい。岩が切り立っているので難しいらしい。
パタゴニアという登山用品のメーカーもありましたね。
フィッツロイとは別の方角の山もある。ウェムール山かなぁ。
のんびりと景色を楽しんだ後、来た道を引き返す。
湖の周りは、新緑の木々が芽吹いていて、本当に気持ちがいい。