パタゴニアのカラファテに到着 [パタゴニア]
11月22日の夕方、成田を出発して、すぐに夜になり、ヒューストンに明るいときに到着、夜になってブエノスアイレスに向けて出発、ブエノスアイレスに到着したときは、お昼になっていた。
みたこともない赤い飛行機が停まっている。
カンガルーのマークがあるからオーストラリアの飛行機のようだ。
地図でみると、アルゼンチンとオーストラリアは遠くみえるが、地球儀でみると、意外に近いことがわかる。
日本から直行便はなくてもオーストラリアからの直行便はあるらしい。
アメリカの厳しくて時間のかかる入国審査を嫌って、アメリカ経由ではなく、オーストラリア経由で、アルゼンチンに来る日本人もいるそうだ。
飛行機が1時間遅れたために、ブエノスアイレスのレストランで昼食のはずだったが、お弁当になってしまった。
国内線の飛行機に乗り換えるために、エセイサ国際空港から、アエロ パルケ メトロポリターノ ホルへ ニューベリー空港(なんて長い名前なんだ!)まで、バスで1時間ほど移動。
ブエノスアイレスの郊外を走る道路を通ったが、なかなか快適だった。
こちらは初夏。
緑がみずみずしい。
紫色のジャカランタも盛りは過ぎていたが、きれい。
いつか、南アフリカにジャカランタを見に行きたいと思っていたが、思いがけず、見ることができた。
ブエノスアイレス到着が1時間も遅れてしまったので、国内線乗り換えがあわただしくなるか、と思ったが、国内線は、もっと遅れているらしい。
出発のゲート番号も、いつまでもわからない。
結局、15時40分発の予定が、18:05分発の2時間半も遅れた。
国内線空港で、またぶらぶら・・ぶらぶら・・・・・・。
空港からは、電車が見える。
電車の手前に道路があり、車が走っている。
だから、電車と車と飛行機をカメラに収めることができた。
空港の近くには高いビルもある。
大丈夫なんだろうか。
空港からは、ラプラタ川も見えた。
道路の向こうにあるのは、ラプラタ川。
川幅は45kmだって。
そういうの、川っていうんだろうか。
もちろん対岸は見えない。
黄色い花は、ティパ、まめ科の木だ。
街路樹として植えられている。
新緑と花が、時差でおかしくなってしまった頭を癒してくれる。
夕方6時を過ぎて、ようやく飛行機に乗り込めた。
これから、さらにパタゴニアのカラファテ空港まで3時間余り。
予定だと、午後3時過ぎに出発して夕方7時に到着なので、南に向かって、日が長くなっていくはず、パタゴニアの山々が見えるはずだった。
なにしろ、今は日本でいうと夏至に近い時期、パタゴニアは緯度も高いので白夜のようなことになっているのではないか。
座席も窓際。
準備は万端。
だが、飛行機が飛び上がるのとほぼ時を同じくして日が沈む。
間もなく暗闇の中に突入。
カラファテに到着したのは、夜も11時近くになった。
ずっと暗い中を飛んできた。
なんということだ。
雪を冠った美しいパタゴニアの峰々を真下に見ながら、パタゴニアに到着!という夢は、3時間も遅れてしまった飛行機の出発のせいで、無残にも果たせなかった。
そう、アルゼンチン時間ね。
そういうものらしい。
予定にアルゼンチン時間を入れなかったのは誤算だった。
それでもカラファテ空港に到着して、Calafateの文字を見たときは、嬉しかった。
氷河探検の観光案内看板もあるではないか。
これぞ、パタゴニア。
ホテルに着いたのは、真夜中の12時だった。
これから夕食だって。
さすがに、夕食はパスした。
成田とヒューストンとカラファテで、3回目の夜が過ぎていった。
パタゴニアの氷河観光拠点、カラファテ [パタゴニア]
11月22日に成田を出発して、今日は11月24日。
成田とヒューストンとカラファテで夜を3回、迎えたのだが、現地時間では2日進んだことになっている。
頭が混乱するのも無理ない。
さて、昨夜真っ暗な中、ホテル入りし、久しぶりに横になってぐっすりと寝たのはいいけど、どんなところにいるのか、想像もつかない。
翌早朝、わくわくしながらホテルのまわりを散歩した。
ホテルはこんな感じ。
木が生えていない丘の中腹にポツンと建っている。
垣根があるわけでもなく、道が湖まで続いている。
少し離れたところにもホテルらしい家がポツンとむき出しで建っている。
土地はいくらでもあるので、せこせこと建てる必要はないのだろう。
カラファテは、氷河観光の拠点の町として、世界中から飛行機が飛んでくるようになったそうだ。
遠くにカラファテの町が見える。
ここはカラファテの郊外なのだ。
目の前にひろがる湖はアルヘンティーナ湖、英語風に発音するとアルゼンチン湖となって、国の名前そのものだ。
湖の中に小さな島が見える。
湖の中の唯一の島、ソリタリア島、ひとりぼっち、という名前がついている。
このアルヘンティーナ湖は長さが100Km、幅が20Kmと常識はずれの広さだ。
目の前に見えるのは、その大きな湖の小さな湾にあたるところだ。
湖面の海抜は188mだからそんなに高くない。
冬は、このあたりはスケートリンクになるそうだ。
ホテルの花壇にはルピナスが咲いている。
デージーも元気。
季節は春。
大地をじっくりと観察すると、小さい花が一面にさいているが、風がきつくてカメラを向けても揺れてしまって撮れない。
朝食はコンチネンタルスタイル、つまり、パンとハムやチーズとコーヒーなどの飲み物だけ。
機内食で疲れている胃にはちょうどいい。
いよいよ氷河観光に出発だ。
ホテルからすぐ近くにあるニメスラグーン(湿地帯)は鳥の保護地だ。
遊歩道が整備されていてバードウォッチングにはいいところだ。
フラミンゴもいる。
ガイドさんはスペイン語でフラメンコと言っていた。なるほど、フラミンゴはフラメンコのことね。納得。
バスから見えるカラファテの家は新しくてきれいだ。
カラファテに空港ができたころから急に人口が増え始めて、人々が移住してきているそうだ。
バスはアルヘンティーナ湖に沿って、すぐに人家のみえない荒野を走り始めた。
雪を冠った山々が美しい。
湖は氷河から溶け出した水なので、コバルトブルーだ。
もっと拡大して撮影したら青空が切れてしまった。
バスの走る道はこういうところ。
車はめったに走っていない。
まるまる2日かけてやってきたかいもあるというものだ。
今度は湖が左に見えてくる。
これもアルヘンティーナ湖だ。
昔、氷河が流れていた低地のところが、今は湖になって、木の枝が繁っているような形で長い湖になっている。
写真ストップでバスが停まった地面は花盛り。
風がきついので、草は大きくなれない。
地面を這うように生えている。
紫色のまめ科の花はどこでもよくみかけた。
名前を調べようと思って、「花 まめ科 紫」で画像検索をすると、この花とそっくりのきれいな写真があった。
が、そこを開くと、なんと、自分の過去のブログのページだったのには驚いた。
パタゴニアで買ったハンディタイプの図鑑によると、アルベヒージャ、またの名をパタゴニアンピー、とあった。
つまりパタゴニアの豆ね。
月見草もあったが、上には伸びていなくて、横に伸びている。
風がきついので、上に伸びることができないのだろう。
植物も環境に適応しながら、生存競争をしている。
期待していたとおり、花の季節、大地が花で覆われていることに感謝した。
アネモネが咲き乱れる湖畔 [パタゴニア]
バスは氷河をめざして原野を走る。
ホテルのあるカラファテから50Kmほどだから、2時間もあればついてしまうだろう。
途中に人家は見えなかったのだが、めずらしく家がみえたのでカメラを向けた。
羊を放牧している人たちが住んでいるとのこと。
湖はアルヘンティーナ湖に続くリコ水道。
出発のときには青空だったが、曇ってきた。
パタゴニアは風がきつくて、雲がすぐに飛んでしまうそうだが、その分、また次の雲がやってきて、お天気は分刻みで変わっていく。
さて、1時間ほど走ったところでトイレ休憩。
地面はタンポポで黄色くなっている。
湖は、同じくアルヘンティーナ湖に続くリコ水道。
湖の岸辺まで歩いていくと、白い花が咲き乱れていた。
アネモネの原種だそうだ。
あまりにも見事だったので、いろいろとアングルを変えて写真を撮った。
葉のつき方や葉の形が、やはりアネモネだ。
花の色は白だけ。
青空だったら、どんなにか、写真が映えたことだろう。
花期がそんなに長いわけではないだろうに、ちょうど、花盛りに出会えたことを感謝しないではいられない。
どうよ!
この豪華さ。
黄色い花はなんだろう。
パタゴニアの図鑑をみると、スペイン語ではGeum,英語でMagellanic avens。
流木もあちこちに。
流木というより、水没したために木が枯れてしまったのだろう。
リコ水道は、ペリトモレノ氷河の成長により、水道がふさがれて、出口を失うことが、数年ごとに、起きる。
このため、水位があがり、年によっては、10mを超えるほど水位が上がってしまったこともあったらしい。
そうすると、木が枯れてしまう。
水位があがってしまうと、出口での水位差が大きくなりすぎて、氷河はその圧力に耐えられなくなり、くずれてしまう。
氷河が破壊されると、リコ水道の水が一気に流れ出す。
これは、世界中の大ニュースとなる。
最近では2008年に起きているそうだ。
今は、水位が数メートルほど高くなっているらしい。
つまりもうすぐ、氷河の大崩落によるリコ水道の噴流があるかもしれない。
赤マンマのような花も咲いていた。
圧巻は赤いノートロの花。
山のふもとは、どこにいってもノートロが満開だった。
遠目には、日本のつつじのようだ。
花はかなり変わった形状だ。