ガイスラッハコーゲルのロープウェイ中間駅からハイキング [チロル・ドロミテ]
標高3054mのガイスラッハコーゲル展望台では霧に包まれてまわりがなにも見えない上に、寒かったので、早々に、またロープウェイに乗り込み、中間駅まで戻ってきた。
ほんの少しロープウェイで降りるだけで、霧が晴れて視界がよくなるのに、本当に残念。
ロープウェイで降りる途中に、これから、昼食をとるために立ち寄る予定の山小屋が、山腹にみえた。
さて、ロープウェイの中間駅は、標高2000mちょっとのところにある。
レストランやテラスがあってくつろげるようになっている。
ALMZEITというのが、ここの名前らしい。
この名前を木で形作っていて、子供たちがジャングルジムのように遊べる。
その木のジャングルジムのところまでいくと、国境が見える。
道がぐるっと回り込むあたりが国境だとのこと。
今ではEUになったので、あまり意味をなさないそうだ。
向こうは、イタリアということかな。
谷と反対側の山側は、牛が放牧されていて、カウベルが巨大な音で鳴っている。
たまに、観光客がいるのだけど、犬と一緒。
半ズボンスタイルだと、3000mの展望台では寒すぎるだろう。
上は4℃だというから。
近くの野原には、ちょうど山野草が満開。
これを見にきたのよ。
崖から下をのぞくと、ゼルデンの村が見える。
これからあそこまで5kmほど下っていく。
その前に、昼食をとるレストランまで、しばらく歩いていく。
花がきれいなので、歩きながらカメラで丹念に撮っていく。
ツアー仲間も花の写真で盛り上がっている。
ハイキング用のストック持参の方たちもストックそっちのけで、カメラをぶらさげている。
昼食のレストランまでは、道もよくて、30分ほどかけて、ゆっくりと歩いていった。
下は、フィテウマ・オルビクラレ(キキョウ科)、別名は「悪魔の爪、デビルズクロー」。
ガイドさんはデビルズクローと呼んでいた。
赤つめ草。
茶色のはきのこ。
りんどう。
センペルビブム・アラクノイデウム
ベンケイソウ科 クモノスバンダイソウ属
これを、もっと大きくすると、
わ~、きれい。
下は、マンテマ。
パタゴニアでも咲いていた。
下のは、なにかわからない。ナンデショウ。
リンドウのようだけど、花が上を向いているし、お花が毛むくじゃら。
ガイドさんは、この手のお花をみると、全部、カンパニュラと呼んでいた。
日本のカンパニュラは園芸品種で本当に鐘みたいに大きくふくらんでいるのだけど。
ホッホゼルデンの花と景色 [チロル・ドロミテ]
標高2000mのこのあたりは、ホッホゼルデンと呼ばれる。
オーストリー側からエッツタール(渓谷)を上流に上ったところに位置する。
ゼルデンが1370mだから、さらに700mほど上のあたりが、ホッホゼルデンとなる。
観光で成り立っている小さな集落だ。
ホッホゼルデンの山小屋をめざして歩いている。
ロープウェイから見ると、すぐそこにあるようだったが、歩くと、結構ある。
山野草が花盛りで目を奪われる。
カメラを手に、花を撮りながら歩くので、20名ほどのグループからは遅れがちになる。
やっと車も通れる道に出たから、山小屋も近いだろうと思った。
が、道路は横切るだけ。また山道に入っていく。
私たち以外に、人影はない。
谷に入っていくと、植物の茎が少し長くなる。
これは、ナンダロー。
お! ありました。
アルペンローゼ。時期は少し過ぎていたが、まだ咲いているところもある。
これははじめてみる。今日は、きっといいことがあるにちがいない。
下は、わからないので、調べてみると
アユガ・ピラミダリス(シソ科キランソウ属)に似ている。
これは、きっと
ポテンティラ・アウレア[Potentilla aurea](バラ科:花弁5){キジムシロ属}
下の紫の小さな花もわからない。
ベロニカ・フルティクロサ[Veronica fruticulosa](ゴマノハグサ科:花弁4){クワガタソウ属}
かなぁ。
これは、ナンダロー。
ガイドさんはこういうのは、カンパニュラと答えるだろう。
で、調べてみると、
カンパヌラ・パツラ[Campanula patula](キキョウ科:花弁5){カンパヌラ属}
りんどうなども全部カンパヌラ属だし、名前にもカンパヌラなんたら・・・とついているから、
ガイドさんは正しかったのだ。
これは、
ベロニカ・カマエドゥリス[Veronica chamaedrys](ゴマノハグサ科:花弁4){オオイヌフグリ}
我が家の畑にもあるオオイヌフグリだ。
だんだん里に下りてきたのかなぁ
ネ、もうそこに民家が見えます。もうすぐ山小屋かも。
これはオテアゲ。
山小屋はまだまだ。正面に雪山が見える。
民家がなくなります。
ニグリテッラ・ニグラ[Nigritella nigra](ラン科:花弁唇形){ニグリテラ属}
かな~。
これは、日本でもよく見かける。キクの一種ということにしておこう。
まだ、こんな山奥。
下のは、日本では見たことがなかったけど、ここアルプスでは、よく見かける。
緑の葉がなくて、いきなり赤い、きれいな花がついているので、目につく。
センペルビブム・アラクノイデウム【ベンケイソウ科】 クモノスバンダイソウ属
お、これはハマナスではないか。山でハマナスとは!
ハマナスを初めて見たのは、網走の海岸だったので、ハマナスは浜辺に咲くものだとばかり思っていた。
鶏小屋があった。
山小屋も近いだろう。
やっと山小屋に到着した。
テラスからぼんやりと山が見える。
オーバーグルグルのホテル [チロル・ドロミテ]
ホッホゼルデンの山小屋に到着すると同時に、雨がぱらつきはじめた。
テラスからは、かろうじて山が見えるが、お天気がよければもっとずっと先までみえるのだろう。
エーデルワイスの鉢植えが、いかにもヨーロッパアルプス風。
さて、山小屋の中に入って昼食。
テラスは広いのだが、小屋の中は、私たち20人が入るともういっぱいだ。
昼食は、各自で注文することになっている。
こういう山小屋では、あらかじめ20名もの食事予約はできないそうだ。
だからツアー代金には含まれていないのだ。
これは、かえってラッキーだ。
不規則な機内食で胃がかなりおかしくなっているから。
で、この地方名物のクヌーデルスープだけを注文した。
これはおいしかった。
じゃがいもや、小麦粉に、ベーコンを入れて丸いお団子にしてスープに浮かべている。
日本に帰って、真似して作ってみたほどだ。
昼食の後は、いよいよお天気が悪くなってきた。
とうとう本降りになってしまい、テラス席も片づけ始めた。
ポンチョを着たり、足元にカバーをつけたり、雨対策をした。
本当に残念ながら、カメラもザックにしまった。
ひどい雨になったので、景色を楽しむどころではなく、ひたすら前に進む。
おかげで、予定より、かなり早く、ハイキング終了となった。
それでも5km歩いたので、心地よい疲れを感じた。
さて、ゼルデンから、バスでさらにエッツタールを奥に進み、オーバーグルグルまで行く。
ゼルデンからはバスで30分くらいの近さだ。
オーバーグルグルの中心から少し手前にぽつんと建っているミュラーホテルに到着した。
ホテルの部屋に入るなり、ベランダから見える景色の素晴らしさに声を上げた。
ワ~、これはアルプスの世界だわ、当たり前だけど。
右を見ると、黄色い私たちのバスが下に見える。
真正面には、滝が2本流れているのが見える。途中から流れが見えなくなって消えている。
伏流水になって下の川に流れ込んでいるのかしら。
このホテルの前には道路があるが、さらにその向こうには、かなりの水量のある川が流れているのだ。
左を見ると、アルプスの山々が雪をかぶっているのが見える。
明日のハイキングはあっち方面だ。
食堂の景色もアルプス色。
ホテルからの景色を堪能している間にも、あっというまに雲が出てきて山腹を降りてくる。
このミュラーホテルは、食事がいいことが売りだそうだ。
豪華なサラダバーがあって、ふんだんに野菜をとることができる。
鴨肉に小さい豆の煮もの、ポップコーン入りスープに、
メインディッシュは、魚か肉か、パスタかのチョイス。写真は肉とパスタで、Adaはパスタ。
デザートはリンゴの煮たのにアイスクリームがのっていた。
夕食後も外はほんのりと明るいが、雲がますます降りてきている。
あしたは、だいじょうぶかなぁ。