ペリトモレノ氷河の上を歩く [パタゴニア]
氷河トレッキングに行くためには、まず船に乗る。
船に乗らない限り、氷河を歩くことはできない。
これは自然保護のためにもいいことだ。
20分くらいリコ水道を船で進んで、氷河近くの対岸に到着。
さらに20分ほど林の中を歩いていく。
ときどき氷河がすぐ近くに見えていい感じ。
遠くにアイゼンをつける小屋がみえてきた。
氷河を登っている人もみえる。
途中で、現地ガイドさんが氷河の説明をしてくれる。
そして私たちが登る順番がやってきた。
船でやってきた50人くらいの人たちはさらに10人くらいずつのグループに分かれる。
そのグループごとにガイドさんがつく。
なにかと思ったら、これはアイゼンをかけるものだった。
小屋ではアイゼンをつけてくれる。
写真は前のグループの人たち。
手前は制服を着たガイドさん。
前のグループの人たちが登っていく。
アイゼンをつけるなんて生まれてはじめて。
こういうところや・・・・
クレパスが口をあけているところを通る。
氷河を流れる水を飲む人も多い。
氷河といっても、表層は雪なので、雪解け道に似た感触だ。
アイゼンで歩くのもすっかり慣れてきた。
氷河の上には、意外にも小川が多い。
気温は10度を超えているし、雨も降ったりするので、氷が溶けてきているのだ。
青い筋は水なのだ。
雨が降ったと思ったら、今度は青空。
お天気がよく変わること。
氷河の氷でオンザロック [パタゴニア]
氷河は近くでみると、また別の表情が見えてくる。
川もあるし、池もある。
クレパスもひとつひとつが輝いている。
天に向かってそびえる氷の柱もさまざまな形をしている。
穴があいている氷もある。
ここは氷河のふちなので、強風による土ぼこりもかむっている。
氷河の出口近くまで降りてきたとき、ガイドさんが、突然、氷をピッケルで崩して、ボールに入れ始めた。
あ、テーブルが出ている!
箱からコップを出してきて、氷をざざざっと入れる。
ウィスキー、オンザロックを作っているのだ!
ウィスキーを入れてできあがり。
その手際のいいこと、ものの2,3分でできてしまった。
おつまみにチョコレートも配られた。
これは、私の分。
もちろん、すぐに飲み干しました。
氷はざらめ雪をさらに大きくした感じ。
雪ではなく、確かに氷だった。
無事、氷河のふもとまで降りてきた後は、アイゼンを今度は自分で取って、きた道を船着場まで戻る。
なんだか名残惜しい。
氷河を横目で見ながら歩く。
もう夕方6時ころなので、さすがの夏至に近いお日様も傾いてきているとみえて、氷河が横からの光で輝いている。
ガイドさんたちも全員、船に乗り、氷河の近くには、だれもいなくなった。
船からは、昨日歩いた遊歩道の黄色い柵がくっきりと見えた。
船からみた氷河。
船を下りて、バスに乗り、カラファテに戻る途中のビューポイントからは、氷河がよく見えた。
パタゴニアの雲 [パタゴニア]
11月26日
カラファテを朝、出発する。
カラファテでは2泊して、ペリトモレノ氷河をたっぷり楽しんだ。
今日の行き先は、エル・チャルテン。
カラファテから北へ、3時間あまりのバスの旅だ。
ブエノスアイレスからの国内便でカラファテまで飛行機できたのだが、帰りはここを通らない。
カラファテの見納め。
今日も風が強い。
風の大地、パタゴニアの面目約如なんだろう。
雲も多い。
バスはカラファテの町を通り抜けて、すぐに荒野を走り始める。
氷河のあるあたりと、バスの走る荒野は、お天気がまるで異なっているのがおもしろい。
氷河があるのは、アンデス山脈のふところに入っているが、カラファテのほうまでくると、アンデス山脈にぶつかって雪や雨を降らした後の乾燥した風が吹き降ろしてくる。
関東の空っ風と理屈は同じ。
なので、大地は乾燥している。
強風の吹き荒れる、まさに荒野だ。
風のためにパタゴニアの雲は独特の形をしている。
日本の雲はふんわりと空に浮かんでいるが、パタゴニアの雲は空を流れているようだ。
しかも、刻々と形が変わっていく。
黄色い花はパラメラ。
ちょうど花盛りだった。
遠くに見える湖はアルヘンティーナ湖。
カラファテのホテルからもみえていた湖なのだが、なにしろ全長100kmもある細長い湖だから、いつまでも見えている。
氷河が溶けてできた湖なので、エメラルド色だ。
パタゴニアの雲は、真綿を引きちぎったように、糸が尾を引いている。
下の写真の人間は、同じツアーの仲間。
他にはだれもいないし、家もない。
これもまだアルヘンティーナ湖。
湾になっている部分と遠くの色が違っていて、不思議な光景だ。
長い長いアルヘンティーナ湖と、ビエドマ湖を結ぶラ・レオナ川。
雲は相変わらず、流れている。
ラ・レオナというお店で休憩した。お店は川べりにあった。
ここもラ・レオナ川。
雲が流れていくのがおもしろくて雲ばかり眺めていた。