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音楽モチーフのステンドグラス [アイルランド]

ダブリンの聖パトリック教会では、音楽モチーフのステンドグラスが多いことに驚いた。音楽の本場ウィーンのシュテファン寺院や、プラハの教会にも音楽モチーフのものは、なかったと思う。

それも、ハープが主役だ。さすが、アイリッシュハープのふるさとだけのことはある。

次のステンドグラスの下のほうに赤い僧服でハープを持った人が描かれている。前にある彫像は誰なのか確認しなかったが、ガリバー旅行記を書いたジョナサン・スウィフトかもしれない。彼のデスマスクや、胸像など、ここには多く残されている。

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ハープの人を拡大してみる。冠をかぶっていて、地位の高い人のようにみえる。アイルランドでは地位の高い人もハープを奏でたのだろうか。頭に環があるから天使様かもしれない。一番下のほうには、楽譜らしきものが拡げられている。

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次のステンドグラスも冠をかぶり、赤い服を着た人がいる。ハープの弦の数は、前のものの半分くらいしかない。

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真ん中を拡大してみる。

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ステンドグラスの下のほうには、3人の天使がハープを持っている。

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次のは、白とびしてしまっているが、ハープを持った、赤い服の人が描かれている。右はその拡大。

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上のステンドグラスの下部を拡大すると、ハープをモチーフにした模様が描かれている。ハープと十字が交差しているのがおもしろい。

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ステンドグラスではないが、こういうレリーフもあった。盲目の吟遊詩人オ・カロラン(1670-1738)がハープを奏でている。アイルランドでは大変有名な人らしい。Youtubeには彼が作曲したたくさんの曲の演奏がアップされている。それも日本人が演奏しているのも多く、驚く。 ヴィヴァルディ( 1678-1741)とほぼ同時代の人なのだ。

クロムウェルのアイルランド侵攻が1649年だから、オ・カロランがアイルランド中を吟遊していたときには、国土は、荒廃していたはずだ。イギリス支配が強まる中、民衆は音楽に救いを求めていたのだろうか。

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3つで一組になっているステンドグラス。

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真ん中だけを取り出して拡大してみる。真ん中のハープを弾いている人を中心として、左にはトライアングルを持っている少年や楽譜を広げて、歌っている人やタンバリンを持つ少女が描かれている。右にはバイオリンを弾く女性や、カスタネット風の楽器を持っている人、竪琴を持っている人がいる。

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つまり、合奏と合唱の図になっている。

まず真ん中のハープの人をさらに拡大してみる。水色のわっかが頭についているから、天使かしら。

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そして、左と右のステンドグラスの拡大。

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下のステンドグラスは左が全体像、右はその下部。キーボードに小さなパイプがついているものを弾いている。オルガンの初期はこういうものだったのかしら。

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上部には、その楽器を手にした男性がすっくと立った姿が描かれている。上半身が裸というのは珍しいステンドグラスだ。有名な人なのかしら。JUBALってなんだろう。

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次のステンドグラスもなかなか興味深い。
キーボードに合わせてバイオリンを弾いて、合唱をしている。そのキーボードには、パイプはついていない。上のほうには、ベルを打っている人もいる。
描かれている女性は、頭に輪がのっかているから天使なのかしら。天国の図だったりして。

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バイオリンの部分を拡大する。

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上部を拡大する。鐘のそれぞれがある音程を担当しているのだろう。

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下のステンドグラスは何かを伝えようという強い意志を感じるが残念ながらよくわからない。

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その拡大。このハープはかなり本格的。そもそもこの人は、女性かしら。男性の絵が描かれたサイドテーブルのようなものは、なになんだろう。

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その上部。キーボードらしきものや、角笛のようなものが描かれていて美しい。

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その下部。竪琴が描かれている。

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音楽の柄は大好きで、服や持ち物などに音符や楽器の描かれたものをたくさん持っているほどだ。思いがけず、聖パトリック大聖堂で多くの楽器柄のステンドグラスを楽しめてうれしくなった。


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茫洋としたフェニックス・パーク [アイルランド]

聖パトリック大聖堂から再びバスに乗って、フェニックスパークへ向かう。

車窓から、クライストチャーチ大聖堂が見える。クライストチャーチって、ニュージーランドの町の名前と同じだ。

で、このクライストチャーチ大聖堂は、アイルランド教会の主教会なんだそうである。といわれても、キリスト教の宗派のことはわからないので、ぴんとこないのだが、クライストチャーチ大聖堂より大きい聖パトリック大聖堂が主教会ではないという点で、なにか火種がありそうである。こちらが、正統派プロテスタントといったところかしら。

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バスはリフィ川沿いに走る。丸い屋根は最高裁判所。

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赤い市内観光バスが見えた! 上がオープン席になってる。フランクフルトで乗ったのと同じだわ~。

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フェニックスパークの中までバスで行き、大十字架の近くで降りる。この公園は700haあるそうだ、といっても見当がつかないのだけど。野生のシカが群れで住んでいるそうだが、お目にかからなかった。この公園、大きすぎて茫洋としている。都市にある公園としては、世界最大級だそうだ。

小高いところに行くとなにか見えるかもしれない。

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だが、こういう景色。とりつく島がない、とはこんなことかもしれない。

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ここで、1978年にヨハネ・パウロ2世が10万人を集めてミサを行ったとか。それで納得。

晴れた日にピクニックとか、ジョギングとかいいかもしれない。

フェニックスというのは、ゲール語で、透明な水を意味するそうで、この公園の中にある泉からきているそうだ。アイルランドはどこでも泥炭がとれるので、川を流れる水も泥炭の黒い色に染まっている。そもそもダブリンというのは、ゲール語で、黒い水を意味するほどだ。だから透明な水というのは貴重なんだろう。

下は入口付近。

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下の写真は、バスからちらっとみえた建物。これはアメリカ大使公邸か、大統領官邸の一部らしい。その両方ともこのフェニックス・パークの中にあるそうだ。アメリカとアイルランドはたいそう親密で、アメリカ大使公邸は特別扱いになっているのだ。アイルランドは、アメリカの17%をしめるアイルランド系アメリカ人のご先祖様の国だから、ま、当然ではありますね。

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さて、再びバスで市内に戻る。またリフィ川沿いだ。

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ハーフペニー橋。ネットの観光案内によく出てくる。歩行者専用らしい。橋の顔がいろいろあっておもしろい。

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雨が降らなくてよかったぁ。窓ガラスに水滴がないのはありがたいことなのだ。

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ここはトリニティ大学の門付近。学生なんだか、観光客なんだか人であふれている。

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次の目的地、国立考古学歴史博物館に到着。

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建物は、1880年代のものというから100年以上も前のものなのだ。装飾があって、現代の機能的な建物とは一味異なる。照明がほんわりとしていてなかなかいい。

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アイルランド国立博物館の燦然と輝く展示品 [アイルランド]

アイルランド国立考古学歴史博物館は、なんと写真OKだった。信じられないけど、OKと言われたし、みんなぱちぱちと撮っていた。限られた時間しかないので、かなり絞って撮った。整理してみると、金ぴかのものものばかり撮っていて、苦笑してしまう。

驚いたのは、ミイラが無造作にガラスに裸体で置かれていたことだ。エジプトなどだと、身分の高い人を布でぐるぐる巻きにして乾燥させ、埋葬しているのだが、アイルランドでは、泥炭層に腐らないで残っていたものを展示している。今にも動きそうな手など、写真に撮ったけど、あんまり見たくもない。紀元前のものらしかった。

紀元前2000年くらいからの金属加工の工芸品が多く出土している。おっと思うようなものはだいたい8世紀くらいのころのものが多いらしい。

ゴージャスな黄金のネックレス。このたぐいのものは数多く展示されていて、ため息がでそう。

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これは、吹奏楽器。

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バラの彫がある黄金のネックレス。太いが、中は空洞だ。彫といい、成型といい、高度な技術があったことがわかる。

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これもネックレス。

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次は、聖杯。
1868年アーダというところから出土したので、アーダの聖杯と呼ばれている。8世紀頃のもの。金、ブロンズ、エナメルなどで装飾されているのですって。ラテン語でキリスト使徒の名前が彫られているらしい。組みひものようなケルト模様もある。本当に素晴らしい。

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これも聖杯。

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次が、博物館で、もっとも有名なタラ・ブローチ。
タラという名前がついているので、タラの丘から出土したのだと思っていたが、1850年、ダブリンの北の海岸の砂浜から発見されたそうだ。ピンの長さ32cm、リングの直径9cmというから、かなり大きい。紀元8世紀のもの。金の透かし細工の入った銀メッキ製だそうだ。琥珀やガラスの宝石が埋め込まれ、ブローチの表裏に精密なケルト模様が刻まれている。

ブローチという名前で呼ばれているが、服を留めるために使われていたもので、針がついている。アイルランドの金細工の最高峰ですって。
ピントがあってなくて、ぼけてしまったのが残念。

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次もブローチ。

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左のブローチの拡大。ぐるぐる模様や、組みひもなどケルト独特の模様がついている。

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これも拡大。精巧さが伝わってくる。

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次もブローチ。

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ブローチはもっとたくさんあったが撮っていない。

次は、なんだっけ。入れ物だと思う。模様がおもしろい。左右対称でない、ちょっと現代風なところが素晴らしい。

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上の拡大。

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十字架もたくさんあったけど、これは代表して撮った。組みひも模様が細かく入っている。

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次は、なになのか読まなかったのでわからないが、人間が彫られていておもしろい。スカートみたいなものを着ている。スコットランドの男性は今でもスカートを着てバグパイプを演奏するけど、アイルランドもスカート風のものを着ていたのかな。

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昔の家の模型や、船など盛りだくさんで、みていて飽きない。説明の英語がわかればもっとおもしろかったと思う。
下の模型は草ぶきの家の並んでいる様子が日本みたいだった。家の原型はどこにいってもだいたい同じようなものかもしれない。ケニアのマサイ族の住まいもこんな感じだった。

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昔の衣服を再現したマネキンもいた。これは女性かな。帽子がおもしろい。

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