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スライゴからカイルモア修道院まで、人里離れた道を往く [アイルランド]

スライゴ郊外の小高い丘に建っているホテル、クラリオンの夜明け、視界が開けているので、朝焼けがきれいかもしれないと思い、外に出てみた。

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イェイツが育ったという屋島の形をした山の向こうが、かすかに赤みを帯びていた。

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ホテルも夜明けを迎えた。

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朝食はどこでも大体おんなじだ。
ジュースとヨーグルトに焼きトマト、豆はどこでも必ず。それに卵とウィンナーかハムかチーズにパン。
ちょっと食べ過ぎ。

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食べた後は、ホテルのまわりをまた、散歩。

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雨が降ったのかしら。

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ナナカマドかな。日本のナナカマドは葉が紅葉するけど。

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バスは、本日、ゴールウェイに向けて出発。途中、カイルモア修道院という、アイルランドきっての観光地に立ち寄る。
また、羊の放牧地が広がる道を南下する。

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ウェストポートを過ぎたあたりで、おもしろい景色だということで、写真ストップとなった。
ここはどこだろう。地図で調べたが、わからない。ウェストポートからカイルモア修道院までは、山道になっているので、そのどこかだろう。
湖の一部に光が当たっていて神秘的な雰囲気だ。

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バスの運転手さんもタブレットPCを持ち出して写真を撮っている。
そう、下の写真のミニスカートの肝っ玉母さんのような方が、私たちご一行様の初めから終わりまで、ずっとバスの運転をしてくださっている。
道をとてもよく知っていて、時速100kmでぶっ飛ばす。
毎日、黒のストッキング、黒のミニスカートに白いブラウス、たまに黒のブレザー、5cmほどの黒のヒールの靴、と運転手としてのプロのいでたちで、大型バスを運転してくれる。

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太陽光線がピンポイントで対岸を照らしている。山の頂上付近は、雲がたちこめ、今にも妖精が現れそうな空気だ。

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あっというまに、ピンポイント光線はただの曇り空になってしまって、再び、バスは南下する。

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こんなに素晴らしい風景なのに、家が1軒もない、というのが、なにものにも代えがたくうれしい。このためにアイルランドくんだりまで出かけてきたのよ。

人手の入っていない小川の野原には羊がいるから、誰かの監視下にはあるのだろう。
羊の腹あたりがブルーに塗られていて、所有されていることを示している。

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突然、カヌーの人たちがみえてきた。
ここはもう、コネマラ国立公園の中に入ってきているので、休暇を楽しむために来ているんだろう。

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小さな滝や、遊ぶと楽しそうな河原もみえる。
アリフ川のアシュリー滝ですって。持っている地図では確認できなかったけど。

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お!
ついに見えました、カイルモア修道院。湖の対岸にお城のような建物が見える。

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バスの駐車場からはしばらく徒歩。これはうれしい。
駐車場にうちの近所で咲いていた花が満開だった。記事にもしたことがあると思い、調べてみると、8年前の記事にありました。トリトマという名前の植物だ。

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異国の地で旧友に出会った気分。


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山奥の湖の岸辺にたたずむカイルモア修道院の風景を楽しむ [アイルランド]

スライゴからゴールウェイに行く途中に、コネマラ国立公園がある。カイルモア修道院は、その公園の中に位置している。建物が森と湖にとけこんで、絵のように美しいことで、人気の観光スポットになっている。

このあたりは、カイルモア渓谷と呼ばれている。建物は、現在ベネディクト派の女子修道院になっているとのこと。ベネディクト派と言われてもさっぱりわからないが、カトリックの修道会だそうだ。全寮制の名門女子高という感じらしい。

建物が見えてきた。風景がいいので、歩いていて気持ちがいい。
雲が低くたれこめているものの、雨は降らない。

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近くまでくると、さすが立派。

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アイルランドのどこでもみかけるフクシアの花を前景に記念写真を。

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つたを前景にしたり、木の枝や木の実を前景にしたりして、何枚も写真を撮った。でもこういう風景は前景を変えても、あんまり代わり映えがしないものなのね。

いよいよ建物に到着。
建物のかどっこは、濃いめの石が積まれているため、建物がくっきりとみえる。これが、美しさの秘訣かも。

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この建物は、1867年に、イギリスの下院議員だったマイケル・ヘンリーが別荘として建てた。彼は、マンチェスターの大富豪だったらしい。妻のためにこの城館を建てた、という美しい愛情物語で語られる。

しかし、1845年からアイルランドは食糧飢饉に陥り、この建物を建てた当時は、800万人を超えていた人口が、600万人を切るところまで、減っている。人口は、その後も食糧不足やそれによる海外への脱出で、減り続けているのだ。

アイルランドの人たちが飢えに苦しみ、亡くなっていく中で、こういう豪邸を建て、イギリスからはるばると馬車をしたてて、ここカイルモアの別荘まで家族でやってくる無神経さはどういうことだろう。

下はWikipediaから。アイルランドは19世紀に人口が減少した唯一の国ではないか。

建物は、その後、人手に渡り、最後は、第一次世界大戦で焼け出されたベルギーのベネディクト会の修道女が移り住み、1920年に全寮制の女子修道院になった。

屋内の一部が見学コースとして公開されているが、これは、建てられた当時の様子を展示している。なぜ、アイルランドを飢饉に陥れたイギリス貴族の生活用具を展示するのか、とも思うのだが、ここの入場料などは、修道院の運営費用に充てられるとのこと。

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おもしろいことに、ここの女子学生の制服をマネキンが着ていた。だけど、なんで髪が黒いの?

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少し離れたところに教会があるというので行ってみた。

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この城館を建てた貴族の最愛の妻が、1874年にエジプト旅行中に熱病で亡くなり、そのために教会を建てて葬った。ということは、イギリス貴族だからアングリカン・チャーチになるのかな。だけど、今はこの修道院はカトリック系だし。建物を壊さないで宗旨を変えることはできるのかしら、などなど新たな疑問がふつふつと湧いてくる。

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室内は簡素にみえるが、お金をかけたことがなんとなく伝わる。
そのひとつが、この地の特産品であるコネマラマーブルをふんだんに使った柱。

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鮮やかなステンドグラス。
教会はみんなの寄付を募って造るからぜいたくになるのはわかるが、個人でもこれだけお金をかけることができたのね。イギリス貴族の当時の金持ちぶりは半端じゃぁないですね。

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さて、また来た道を戻る。観光客がぞろぞろと歩いている。

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神代植物園の名物、パンパグラスがこんなところに生えている。以前写真を撮って調べたものは結構頭に残っている。これ、西洋すすき、というのが別名だから、こちらが本家ね。

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お昼は修道院付属のレストランで食べる。修道院の人たちが作っているそうだ。 

ベネディクト派は、共同体生活、謙虚、禁欲、典礼の実行、知的訓練(読書、著述)、手仕事(写本、彩色)や農作業などの労働時間を加味した日課を励行している、とのことなので、このレストランもそのひとつの宗教行為ということかしら。

それにしても食事の量が多すぎ。スープ、キッシュ、クリームたっぷりのデザートのどれもおいしかったが、食べきれなくて残念なことをした。

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最後にもう1回、城館を。写真を整理していて、城館の写真の多さにへきえきしている。

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これはナナカマドですね。

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トリトマももう一度。

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陽がさしてきて、バスから城館がくっきりとみえた。

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コネマラ国立公園を1周してダイヤモンドヒルへ [アイルランド]

バスはカイルモア修道院を後にした。来るときに今にも雨が降りそうなお天気の下でかすんで見えていた修道院も、今は午後の日差しをあびて輝いていた。

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アイルランドの雲は低いとは聞いていたが、標高500mにも満たない山のはずなのに、雲がたれこめている。

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小川のほとりでは羊が草を食べている。

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次の予定は、カイルモア修道院から5kmほど離れた地点から歩いて、コネマラ国立公園を満喫することになっている。5kmなので10分もすれば到着のはずだったのだが、もう20分以上もバスは走り続ける。

すると、添乗員さんから、道を間違えました、というアナウンスがあった。一瞬、車内は緊張に包まれる。それでも近いところだから引返してもまぁ、なんとかなるか、と思っていた。しかしバスは引き返さないでどんどん進む。地図をみてみると、公園をぐるりと回るような形で道路がある。そうかぁ、回り込んでいくんだ。

40分ほど走り続けたとき、添乗員さんから、運転手さんからのコメントとしてお知らせがあった。運転手さんは、a kind of service と言っている、つまり、この遠回りはサービスなのよ、というわけだ。
車内は爆笑に包まれ、緊張がすっかりほどけた。確かにね、コネマラ国立公園をバスでぐるっと1周するんだから、サービスか~。日本人だったら平謝りするところだろうね。
私Adaは、肝っ玉母さんのような女性の運転手に感心してしまった。こんな女性、日本にはいないなぁ。謝らないでみんなを納得させてしまう。

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遠回りのおかげで、湖の点在する景勝地を堪能できたのでした。

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ものはとらえよう。失敗をプラスに転換させる発想は大事だ。

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それにしても時間がかかる。10分のはずが、もう1時間ほどかかっている。次の散策を楽しみにしているので、お天気も気になる。雲がとても低い。運転手さんは時間を挽回するためか、猛スピードでバスを走らせる。ほとんど車など走っておらず、時速制限はあるのかないのか、いい道になると、時速100kmは超えているだろう。
一眼レフをバスの窓にぶつけないように構えてシャッターを切る。でもやはりぶれぶれの写真がどっさりとお蔵入りした。

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 ようやく、コネマラ国立公園のビジターセンターに着いた。
あ、ナスタチュームだ。以前、これも記事にしたことがある。

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また異国で旧友に出会った気分。ビジターセンターの庭の大きな鉢で育てられている。それにしても元気だ。

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他の花もいきいきしている。

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曇り空で霧雨が降ることの多い気候が、植物を元気にさせているのだろう。

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こういう花の配置で、マクロレンズを使うと最高の写真が撮れるはずなんだけど。

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さて、、これから3kmほど歩く。めざすは、445mのダイヤモンドヒル。
写真の小高い山の中腹を歩く。登るのではないのよ。

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ビジターセンターのまわりは、子供連れでも楽しめそうな設備が整っている。シーズン中はにぎやかなんだろうけど、今日は、人影がない。

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羊もいた!

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この地方特産のコネマラ種の馬かなぁ。なんか、ぼってりしている。

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さぁ、歩こう。


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