世界で一番幅の広い通りのあるブエノスアイレス [パタゴニア]
コロン劇場の内部見学の後は、町をみながらホテルまでのんびりと歩く予定だったが、またもや、時間切れ。
いつも時間が足りない。
急ぎ足でホテルまでの1km弱ほどを歩く。
どこにいても見えるのが、67mの高さがあるオベリスクだ。
すわ、エジプトから運んだのかと勘違いしたくなるが、1936年に、ブエノスアイレス建都400年を記念して造られたそうだ。
1812年にアルゼンチンの国旗が初めて掲揚された由緒ある場所だとのこと。
おっ、1812年ね。チャイコフスキーにそういう曲ありましたね。
大砲がドカンドカンと鳴るやつ。ナポレオンがロシアから敗退していった年だ。
下の写真を撮った場所は7月9日通りの中央分離帯。
7月9日というのは、独立記念日ですって。
この通りは世界で一番幅が広い通りだとのこと。
133mとのこと。
通りの両端は、まるで公園のようだ。
見上げるとティパの黄色い花が咲いている。
ジャカランタもまだ咲いている。
南アフリカまでジャカランタを見に行きたいと思っていたところだったので、思いがけず、ブエノスアイレスにいっぱい咲いているのを見て、嬉しくなる。
ジャカランタは桜のように遠くから眺めた写真が多いので、ひとつひとつの花はどうなっているんだろう、と不思議に思っていた。
ジャカランタの正体を暴くチャンスとばかり、カメラを望遠にして撮ろうとしたのだが、花期はもう過ぎてしまっていた。
やはり、遠目で見るのがいいいようだ。
それに葉もずいぶんと繁っている。盛りの時は、葉は見えないはずだ。
下の写真は酔っぱらいの木。
木の根っこがふくらんでとっくりのようなので、日本の沖縄ではトックリキワタと呼ばれているそうだ。
スペイン語の名前と沖縄の名前の両方とも、お酒を連想したものなのが、おもしろい一致だ。
この季節では、この木は綿のようなものをぶらさげていた。
「パンヤ」とはこの綿のことでぬいぐるみやクッションの詰め物に使う そうだ。
綿の前の実は、アボガドくらいの大きさだそうだ。
花はピンク色で、写真でみるかぎり結構華やかだ。
花の季節にはさぞかし、きれいだろう。
タイサンボクのような花も咲いていた。
ゴムの木の大木もあった。
ブエノスアイレスの緯度は南緯35度。新宿は北緯35度だから、だいたい、東京と同じような気候になると思うのだが、植物をみていると、少し亜熱帯系のものも多いように思われる。
アガパンサスの一群。
この花は、ドイツのビュルツブルグのレジデンツ(お城)の庭にも同じように植え込まれていた。
ヨーロッパの匂いがする花だ。
最新モードのフロリダ通りを通り抜ける。
日曜日なので、歩行者天国になっていて、露店が出店準備を始めていた。
まだ午前中なので、町は目覚めたばかりのようだ。
いつも大賑わいの通りだそうだ。
とある通りでみかけた看板にエビータの写真があった。
お! エビータ博物館か、と思ったが、団体の集まりの看板だそうだ。
こんなところにもエビータの映像が使われていることに驚かされる。
ペロン大統領の夫人だったエビータは、1952年に亡くなっているから、今から60年も前の人なのだ。
ミュージカルのエビータで歌われている”Don’t cry for me Argentina~~~"という歌がある。私でも、そこだけは覚えている。
ロイド・ウェーバーの甘いメロディを思い出すだけで、胸がキュンとなる。
下の写真は、1858年に創設の市内最古のカフェ、トルトーニ。
残念ながら、入ってゆっくりとお茶を飲む時間はない。
残念、残念。
今度、ブエノスアイレスに来たら、絶対に入ろう。
写真を撮っていると、車の警笛を鳴らされた。
驚くと、車に乗った青年たちが、手を振っている。
オレたちを撮れということか。
還暦も過ぎたおばあさんにヒュ~ヒュ~と愛想を振りまいてくれることにいたく感激した。
日本ではもう、この年になると、だれも振り向きもしないけどね。
そうだ、ここは、ラテン系の陽気な国なのだ。イタリアのお兄さんたちの、のりと、おんなじだ。
路地にはタンゴのステップを示した歩道もあった。
陽気な国ですねぇ。
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