パイネの山懐に分け入る [パタゴニア]
バスがパイネに近づくにつれ、山はけわしくなっていく。
奥に見える山を望遠でみてみると、槍のような岩が切り立っている。
山には氷河が流れていて、山すそで溶けてなくなっている。
氷河が流れているところは、まわりがまるく削られているのがわかる。
今の時期は、暖かくなっているので、氷河も細く痩せていると思うのだが、もしかすると、地球温暖化の影響かもしれない。
氷河はコバルトブルーで、神秘的だ。
左に見えるとがった山はパイネの角といわれている。
山が角のようにとがっているからだ。
パイネ山塊と反対の方向は、おだやかな春の湖がひろがっている。
氷河が溶けてできた湖はコバルトブルーだ。水溜りもできている。
ときどきみかけるグァナコは、とってつけた絵のようにさまになっている。
少し晴れてきて、パイネの山々がきれいに見渡せる。
滝もみえる。滝の色もコバルトブルーだ。
うららかな春のように見えるが、実は強風が吹きつけている。木をみればわかる。西から吹く風のために、枝が東を向いている。この木は新芽が出ていないけど、枯れているのかな。
このあたりは、40年ほど前にチェコからやってきた青年が、山で自炊しようとしてつけた火が強風でまわりに広がり、山林が焼けてしまったそうだ。まだ自然回復には程遠く、枯れ木が散乱していた。
一度ダメージを受けた自然は、なかなか元に戻らない。
水辺には、パタゴニアンピーが満開に咲いていて、平和をかもし出している。
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