ラ・レオナからエル・チャルテンへ [パタゴニア]
バスは、カラファテからエル・チャルテンに向かう。
行程、250kmの中で、ただ一軒だけのお店は、ラ・レオナという。
屋根にはHOTELとあるが、今はホテルはやっていないらしい。
強い西風をやわらげるための木が、風でしなっている。
アルゼンチンの旗もはためいている。
その旗の下のほうは、こんな風になっている。
この地点から各都市への距離が書かれている。
トップに東京が出ている。 21041km。
他の都市に比べて、ダントツ、遠い。
東京から地球の真ん中に向かって穴を掘っていくと、だいたい、このあたりになるのではないかしら。
ちょうど地球の正反対に対峙しているのだから遠いわけだ。
お店の前は川になっていて、前回記事にも出てきたレオナ川。
ラ・レオナという名前はとてもひびきがいい。
メスライオンを意味するそうだ。
ラはスペイン語の定冠詞。
女性ばかりでやっているカルテットの名前にしたいくらい、いい名前。
南アメリカにはライオンはいないが、ピューマが住んでいるそうである。
昔、スペイン人がこのあたりを開拓していたときに、メスライオンのような動物、つまりピューマがよく出没したので、ラ・レオナと名付けられたそうだ。
で、川の名前がレオナ川。
川に橋がかかっていなかったころ、羊を対岸に運ぶ仕事をするために作られた家が、お店、ラ・レオナの起源だそうな。
ここに銀行強盗が宿泊し、そのはなしが、映画になったことで、一躍、ラ・レオナは有名になった。
ホテル業は、車の時代になって、カラファテにお客さんをとられ、立ちいかなくなったが、そのかわり、観光客は、ここで、必ず休憩をとり、なにがしかのお金を落としていくようになった。
さて、休憩の後は、またエル・チャルテンに向けて出発。
長く見えていたアルヘンティーナ湖を離れ、レオナ川に沿って北上すると、ビエドマ湖がみえてくる。
ここもビエドマ氷河が観光ポイントになっているが、日本からの観光客はあまりいかないようだ。
そのビエドマ氷河が遠くに見えた。
ペリトモレノ氷河と同じく、湖に流れ込んでいる。
だが、湖に崩落する氷河の先端を対岸からみることができるペリトモレノ氷河のほうが、観光価値は高そう。
氷と荒野ばかりが目につくが、足元は、このあたりも小さなお花が咲いている。
風がきついので、どれも地を這うように生えている。
花はマメ科の形をしているが、葉がどうなっているのかわからない。
頭でっかち、とはこの花のことだ。
花ばっかりで、茎や葉がさっぱりわからない。
風の大地、パタゴニアで生きていく知恵ですな。
生殖機能ばかりがばかでかい。
次も上と同じ種類の花。
下の植物は、葉っぱか花かわからない。
黄色いのが花かと思ってみると、葉のようでもある。
肉厚なので、乾燥したところでは、強そうだ。
さて、バスは、いよいよエル・チャルテンが遠望できるビューポイントまでやってきた。
岩山に囲まれた小さな町だ。
ここで、大きな集団に遭遇した。
なんでも、アルゼンチン国内のリタイアした人たちのグループだそうな。
大きなアルゼンチン旗を真ん中に記念写真を撮っている。
アルゼンチンの人はスペインからの移住者が多く、ラテン系民族なので、開放的で明るい。
それにしても、こういう大集団の観光客は、このあたりではとても珍しい。
とうとう、バスはエル・チャルテンに到着した。
町の入口に看板が出ている。
この看板の最上部に描かれているのは、フィッツロイという山。
私たちのお目当てもフィッツロイ観光なのだが、お天気が悪くて、さっぱり顔をみせなかった。
エル・チャルテンは観光で成り立っている町なのだが、カラファテと違って、登山客を対象にしている。
私たちもここで2泊するのだが、目的は、ハイキング。
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