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チンクエ・トーリのハイキング [チロル・ドロミテ]

10分ほどスキー用のリフトに乗って、到着した展望台の標高は、2255m、スコイアットリ小屋があり、そこで、ハイキングの準備をする。
そのあいだ、素晴らしい景色を堪能した。青空が足りなかったな。
リフトとは反対側の景色、
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左側に目を転じると、チンクエ・トーリの岩山がある。
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花も鮮やか。
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花を前景に山の記念写真。
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さて、いよいよハイキングスタート。
3km、1時間ほどなので、のんびりしている。
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お花がちょうどみごろで目を奪われる。
黄色いのはアネモネ系かしら。
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歩く左側の景色は、リフトのある方角になる。リフトが見える。
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歩く右側の景色。
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青い花はフウロウ系かなぁ。
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チンクエ・トーリの名前の由来である5つの岩がこれ。
チンクエは、イタリア語で5のこと。トーリは塔、つまり、5つの塔となる。
一番高い、トーレ・グランデは、2366m。
この岩を中心に、ぐるっと3kmほど歩く。
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ぼんやりと、高い岩山を眺めていたら、その岩山を登る人がいて、しばらく、小休止となってロッククライミングの様子を眺めた。
写真には、7人いる。右上に2人、左側に3人、格闘中の1人に、地上に1人。
多分、地上にいる人が、ガイド格なんだろう。
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なんて、怖い遊びをするんだろう、と思うが、私Adaのひとつ違いの妹は、この2週間前に、この岩を登ったらしい。
もちろん、アラセブだが、日本でもロッククライミングを趣味にしている。
ここは、ロッククライマーにとって、あこがれの場所らしい。
私たちは、そんな怖いことはしないで、その岩山をぬって景色を楽しみながら歩く。
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アルペンローゼがまだつぼみを付けて咲いている。もう花期は過ぎたはずだが、標高が高いので遅いのかな。
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ドロミテは、今からちょうど100年前には、オーストリーの領土だった。
1914年に勃発した第一次世界大戦当時、この地域の兵士は、オーストリー側兵士として従軍した。
だが、1918年に戦争が終結すると、ハプスブルグ家は追放され、ドロミテは、イタリアの領土になった。
戦争当時、ドロミテは、イタリア軍のオーストリーに対する前線基地だった。
だから悲惨な環境下に置かれていたのだろう。
その様子が今も、野外戦争博物館として、保存されている。
チンクエ・トーリのそこかしこに、当時の様子が残っている。
これは作戦基地かな。
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外はのどかなんだけど。
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弾丸を用意している。
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もっとたくさん展示されていたが、あまり気持ちいいものでもない。
それに、イタリー側の視点で展示されていると思う。
現地の元、オーストリー人だった人たちは、どう思っているだろうか。

皆川博子さんの「死の泉」には、このあたりの、地下を結ぶ塹壕のはなしが出ていておもしろかった。
主人公がカストラート(去勢されて高い声を出せる男性歌手)というのも興味深かった。
そこに、ドロミテを含むチロル一帯の地下には、なにやら不気味な秘密ルートがあるらしいというはなしが出てくる。
ここの場所を見ていると、その虚構のおはなしも、本当に思えてくるほどだ。
「死の泉」は、第二次世界大戦のころを舞台にしている。
戦争という非日常においては、なんでもあり、というのが怖いですね。

平和な景色が目に沁みます。
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