アイルランド最大の教会、聖パトリック大聖堂 [アイルランド]
ダブリンの市内観光にバスで出かける。雨は降ったりやんだり。
どうもドアの色が気にかかる。バスの窓ガラスは雨滴がついていないので、今日はバスからドアを撮ってみよう。
薄紫のドアはめずらしい。
これも珍しい。ドアを白と黒で飾っている。
よくあるのは、単一の色で、黄色、緑、赤、青とはっきりとした色だ。
こうして色とりどりに並んでいるときれいだが、最初にドアを塗り始めた人は勇気があったと思う。日本ではこういうの、みたことないですね。
感心しながらドアを眺めているうちに、最初の見学ポイントである、聖パトリック教会に到着した。アイルランドでは一番大きな教会だという。それに、アイルランドの守護聖人であるパトリックの名前がついていることからみても、アイルランドの人たちにとっては大切な教会なんだろう。
教会のまわりは公園になっている。
縦長の窓がついているが、これ、全部、ステンドグラスなのだ。
5世紀に木造で建てられていたものを、12世紀に石に造りなおしている。この教会は、パトリックという、アイルランドにキリスト教をもたらした守護聖人の名前がついているにもかかわらず、プロテスタントなのかカトリックなのかよくわからないところがある。それがアイルランドらしいということでもある。クロムウェルが侵攻してきたとき、やはりここも馬小屋としてつかわれていたそうだ。それはクロムウェルのこの教会に対する姿勢を示してもいたようだ。
アイルランドには、イギリスから入植してきた人たちも多く、その人たちは、プロテスタントだったはずだ。そういう人たちが、この教会を維持してきたようだ。カトリックとプロテスタントのあいのこのような顔をしていたと思う。民衆にはカトリックの顔をみせ、支配者であるイギリスにはプロテスタントの顔をみせる、といった具合に。
「ガリバー旅行記」を書いたジョナサン・スウィフトは、1713年から1745年までの32年間も聖パトリック教会の司祭をしている。スウィフトの父親は、イギリスからの入植者である。ということは、この教会は、イギリス聖公会の流れを汲んでいるということかしら。
アイルランドの宗教の問題は、ややこしくてわからない。だが、アイルランドを理解する重要なポイントであることはわかってきた。
上にあるのはパイプオルガンかしら? 小さすぎるような。
教会の位置づけは、わからないままだけど、それはともかく、ステンドグラスが大変美しいので、そちらを楽しむこととする。
何度も修復されてきたので、どれがいつの時代のものなのか、よくわからない。
ステンドグラスの意味するところの物語も、見る人が見れば、わかるのだろうけれど、私たちは、キリスト教徒ではないので、細かいニュアンスは理解できない。それでも、このステンドグラスの絵は、十分、感動する。
ブルーの基調カラー。
上の写真と似た模様だが、よくみるとぜんぜん違うことがわかる。どちらも細かい絵が入っている。
次のものは、また一味違った印象。
りんごのような木が素晴らしい。
これはケルト模様かしら。こういう幾何学模様は、ここでは珍しいほうに入る。
文字が入っているステンドグラスもある。ケルト語ではなく英語らしい。これを見る限りイギリスの影響下にあることがうかがえる。
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