ブルックナーのロマンティック全体合奏練習始まる [ロマンティック街道]
ヴァイカースハイムでのはじめての朝が来た。窓の外をみる。うっすらと霧がかかっている。
宿舎は2人で1部屋を使う。ツインのホテルと同じだ。清潔で気持ちがいい。
入り口から宿舎をみると自分の部屋がみえる。
ここは音楽関係者のための宿泊施設のようだ。ヴァイカースハイムでは音楽祭がよく開かれているらしくて、ブログでもみかける。ヴァイカース音楽アカデミー学校もある。
昨日はお城の中の1室でのパート練習だけだったが、今日から全体練習が始まる。
宿舎を出て、昨日と同じくお城に入っていくが、建物の中には入らないで、庭のほうに回りこんでいく。お城の正面に出る。ここから広い庭園に入っていく。門の向こうにまた門がある。最初は、お城の門、空堀があって橋をわたると、庭園の門になる。
下の写真の真ん中に空堀にかかった橋がある。ここを渡り、右の白い道を手前にくる。
反対方向に3階建ての音楽練習所がある。森の中にポツンと建っている。
ここの3階フロア全部を使って、フルオーケストラが入る。
緑に囲まれてとても気持ちがいい。
おや、変わったビオラ!
ビオラのトップの方は元プロの奏者だったとか。その方が持っていたビオラがみたことのない形だったので、写真を撮らせてもらった。
弦のトップは全員、プロである。
窓からお城をみると夢のような景色。これは晴れた日。
さて、全体練習がいよいよ始まった。
指揮者はヴォルフガング・ベーレント氏。ときどきおもしろいことを言って笑わせているようだが、全部ドイツ語だ。隣の英語ができる女性が翻訳してくれるが、やっぱりわからない。
それでも音が鳴り始めると、いつもの日本と同じ緊張が走る。それにロマンティックだ。この曲を弾きたくて来たのだ。ブルックナーのシンフォニーは何曲か、練習したことがあるが、ロマンティックははじめて。
ブルックナーは2拍子の中に3拍子を入れたり、その逆だったり、というのが、弾いていてたまらない魅力だ。たゆたうような雰囲気がかもし出される。これこれ、これを味わうためにきたんだわ~。
Ada(エイダ、自分です)が所属しているアマチュアオーケストラの指揮者は、2拍子の中に3拍子を入れるとき、厳密に弾くように要求する。あいまいにしたままの場合も多いのだ。でもこれを厳密に弾くことで、酔うような流れになっていく。厳密に弾くといったところで、たいしたことではない。2と3の最小公倍数の6でカウントするとなんでもない。
ブルックナーのシンフォニーはどちらかというと管楽器の比重が高くて、弦は大音響を楽しむ、という感じで弾くことになる。管が2拍子で動くところを弦が3拍子であわせていくという感じ。
はじめての合奏のときから音楽が止まらないで流れていく。みんなよく練習してきているのがわかる。でもときどき、後ろの方が休みのところで間違って音を出したりしていて、やっぱりアマチュア、と安心したりした。こういう風景は日本と変わらない。
遡っているので やっと全体像が分り始めてきました。
by ララアント (2011-08-09 22:58)