マヨリカハウス ~壁一面にバラの花 [ウィーン・プラハ]
ウィーンでの3日目の朝を迎えました。前日の教会での演奏会が終わり少し肩の力が抜けてきました。
この日は、先生が10時に楽譜屋ドブリンガーにいらっしゃるというので、それに合流することにしました。といっても勝手に行って、先生から助言をいただくだけ。
10時までに観光できるところというと・・・
町を1時間ほど歩くこと。
ウィーンのユーゲントシュティール(アールヌーボー)を代表する建築家、オットー・ヴァーグナーの建築物をみることから始まりました。
カールス・プラッツ駅から地下鉄を乗り換えて一つ目のケッテンブリュッケンガッセ駅で降りて、元のカールスプラッツ駅まで歩いて戻ってくることにしました。
駅で降りるなり、目に飛び込んできた建物がこれ。花模様のビルに、隣は金色の飾りがほどこされた建物。これが、マヨルカハウスとメダイヨンマンションです。両方ともオットー・ヴァーグナーが1890年代に建てたものです。もう100年以上前になります。
これがマヨリカハウス。壁一面、バラの花。
もっと近づいて・・・
さらに拡大して・・・・
わ~、きれい!
タイルでできています。
100年以上もこの色を保っているなんて・・・
窓の間にはライオンの彫刻。
拡大して・・・
3階のフェンス。
ひさしの部分も装飾がほどこされています。日光の東照宮みたい。
ここには一般の方が住んでいらっしゃるので中をみることはできません。こういう家に住むなんていいなぁ。
隣のメダイヨンマンションとの境目。くっついていますね。
左隣の建物はウィーンではごく普通にみられるもの。マヨリカハウスと並んでいるので割をくっています。ついでにこちらもじっくりみると・・
ウィーンの建物は、よく、こういう女性の顔の彫刻が壁に張り付いています。守り神なんでしょうか?
女性がひさしを持ち上げている彫刻。こういう構図もよくみました。
100年以上も住宅として使い続けているのは日本では考えられません。なにが違うのでしょうね。
ウィーンのような素敵な建物ではないけれど、うちも100年以上建っている建物ですし、まわりもそうです。石造りは腐らないので、長持ちするんですね。石も、ローマなどでは古代ローマ時代よりもっと前の遺跡の石を使い回して今まできているわけですから、木造との違いは大きいですね。
ひさしを持ち上げている彫刻は、19世紀半ば過ぎの歴史主義の建築の特徴です。アトラント(Atlant)とカリアティード(Karyatide)といいます。アトラントは男性像で、ギリシャ神話で空を支えているアトラスからきています。カリアティードは、ギリシャ神話でカーリア(小アジアの地名)の踊り子たちが頭に籠みたいな飾りをのせていたことに由来しているそうですよ。
by めぎ (2008-05-07 01:35)
すごい!薔薇の花が綺麗に描かれてるんですね!!
近くで見るとまた鮮やかで!(^^)!
100年前のものとは思えませんねぇ~(^^)
by いとお (2008-05-07 01:58)
顔や動物がついてる建物は、よくありますが
ここまで、手が込んでいる「お花模様」の建物は、初めて見ます^^
とっても素敵なものを見せていただきありがとうございます。
by ぴーすけ君 (2008-05-07 07:54)
「壁一面にバラの花」・・・どれどれ!!!と。
「うわっ!本当だ!」 それが100年以上も前の建築に驚き
それが「タイル」に驚き・・・adaさんがコメントされているように
今でも その当時のままのような 鮮やかな色使いが残っているのにも
驚いています。
素敵な画像を朝から 見せていただき嬉しく思います。
by ララアント (2008-05-07 08:42)
壁一面に張られた「組タイル」素晴らしい
眺めですね、これでしたら何百年たっても
変わらないでしょうね、装飾用タイルは
ヨーロッパ特にイタリアが有名ですね、
日本でも、イタリアのタイルは多く使われています。
昔は、手間暇考えずに、良いものだけを使って
建てたのですね。
by wakatate (2008-05-07 17:42)
めぎさま
石でいったん、建物を作ると壊すにも石の捨て場にこまりますし、なにより持ちますから、使えるのですね。内装はやり直すのでしょうが、配線だとか、床暖房だとか、住まいのインフラの変遷を吸収できるのは素晴らしいですね。
アトラントとカリアティードですね。どうもありがとうございました。知りませんでした。
いとおさま
こういう建物はウィーンでも大変めずらしいものでした。それにしても凝っていますね。1枚1枚、タイルを焼いたのですね。
ぴーちゃんのまま
ぴーちゃんもみてくれたかなぁ。
ララアントさま
マヨリカハウスを楽しんでいただけたようで、嬉しいです。タイルは色あせないでよくもつのですね。びっくりです。
wakatateさま
よくご存知ですね。これはイタリアのマジョリカ焼きタイルなのです。だからマヨリカハウス。マジョリカ焼きは長くもつそうですので、わざわざそうしたのだとか。そういえば、トルコの青いタイルも何百年と色あせないで残っていますね。
by ada (2008-05-07 22:14)