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オーケストラワークショップを経験して、ドイツのイメージがすっかり変わってしまった [ロマンティック街道]

ヴァイカースハイムでの最後の朝を迎えた。

オーケストラワークショップもとうとう終わってしまった。ドイツを訪問するのは、初めてだったので、ドイツに対するイメージが変わってしまうほど、感じることが多かった。ドイツの人たちと一緒になって、ドイツのやり方で、同じ目的に向かって何かをする、ということは、普通のツアー観光では味わえない一面をみることができる。

まず、スケジュール。毎日の行動予定は、その日の朝、食堂の脇の掲示板に貼られる。A4のサイズの紙に手書きのドイツ語で、大まかなスケジュールを書いてある。とてもゆったりと時が流れていく。

日本の同じイベントでは、きっちりと分単位で、エクセルで作成した表が全員に配られる。動線が混乱しないように歩くルートまで決められる。100人以上の人を動かすのに、その日にならないとスケジュールがわからないというのは、日本ではありえない。

次に、こういうイベントのときには、日本だと、必ず懇親会をする。ビールで乾杯し、挨拶してまわる。しかし、ついに懇親会はなかった。そのかわり、毎晩、お城のケラーを参加者専用で開放してくれる。夜、サロンオーケストラも聞かせてくれた。ドイツ人はダンスをして楽しんでいた。なんだかとても自然だ。

次に、クラシック音楽のはずだが、サロンオーケストラや、ラップミュージックまでこなした。クラシック音楽の概念がかなり違うように思う。音楽は生活の中で楽しむためのもの、という考え方が、浸透しているように思う。私たち日本人ももっと楽しんではめをはずしてもいいのではないだろうか。

 こういうことを考えていくと、時間を守る象徴のようなカントを生んだ国、厳しい統制のナチスがあった国、精密機械の優秀さを誇るベンツやフォルクスワーゲンの国で、なぜ原子力発電にノーを表明したのかも、なんとなく理解できてくる。

ドイツの労働時間が日本に比べて圧倒的に少なく、ヨーロッパの中でも一番低い国に入っているのも不思議だった。

自然を大切にし、質素に暮らし、生活を大切にするのが、本来のドイツ人のイメージだとすると、このような疑問も理解できてくる。

4日間の夕食には一度も温かいものがなかった。そのかわり、お昼にはシチュウとか、カレーの類のちょっとボリュームのあるものが出てくる。宿舎で経験した食事は、ごく普通の家庭の食生活に近いものなんだろう。とても質素だ。

だんだんドイツが大好きになってきた。

さて、今日は、ヴァイカースハイムからローテンブルグまで、バスの旅だ。ヨーロッパバスは11時20分に来るので、それまで、近くを探検することにした。

お城の裏庭にまわる。こういう不気味なところがあった。

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いえ、よくみると、不気味なんですよ。左の壁に座っているおじさんは、真正面からみると・・・

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これって、魔法を使うおばあさんみたいだ。

反対側の壁にもだれかがいる。これはなんだ。

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突き当たりの壁の上にはニワトリまでいる。

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いったい、どうしてこんなものがあるのだろう。いつか展示するつもりなんだろうか。

さて、お城の壁の外に出て散歩しよう。

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アーティショーをみつけた。

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もっと開いたのもある。

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そーして、花が咲いていた。

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初めてみたので、興奮してしまった。アーティショーは日本ではホテルでの結婚式のお料理などで供される、高価な食べ物だ。おいしいと感じるほどの量を食べたことはない。ヨーロッパでは、みんな、大好きだというけど、おいしさの秘密をまだ理解していない。

アーティショーの別名は朝鮮あざみだが、花をみて納得だ。

バスの駅の前にはiマークの旅行案内所があったので、そこでバスを待った。おみやげも売っていた。布の袋にお城とヴァイカースハイムという文字を印刷しているものを1ユーロで売っているのをみつけたときは、飛び上がって喜んだ。最後までついているのね~。

そしてとうとうヨーロッパバスが予定の時刻ぴったりに到着した。

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FRANKFURT-FUSSEN
Romantische StraBe
(ドイツ語のウムラウトやSS表記を省略)と書いてあるから間違いない。フランクフルトーヒュッセン、ロマンティックシュトラッセはロマンティック街道。


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コメント 1

めぎ

Adaさん、お久しぶりです、めぎです。
素敵な催しに参加されたのですね。ワクワクしながら読ませていただきました。
私の住むドイツの良さを色々と知っていただけたようで、とても嬉しいです。特に、時間の過ごし方や音楽のとらえ方は、Adaさんのお感じになったのが暮らしの隅々にまで広がっています。
あの白い花の木は、Lindeです。菩提樹と訳されてますよ。
そうなんです、ドイツでは伝統的に夕食にあたたかいものを食べません。ハムとチーズとパンだけですませます。お昼がメインなので、お昼に温かい食事が出されるんです。つい最近まで学校も全てお昼まででした。外で働くお父さんもお昼に一時うちに帰って、家族でお昼をゆっくりと食べていたんです。
でも、ドイツもライフスタイルが変わってきていて、お昼は簡単にすませて夕食をメインにする家庭が増えてきています。学校も最近全日制が増えてきました。
コメントがすっかり長くなりました。Adaさん、どうぞお身体に気をつけて、これからも音楽を楽しんでくださいね。
by めぎ (2011-08-05 01:48) 

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