パタゴニアの氷河観光拠点、カラファテ [パタゴニア]
11月22日に成田を出発して、今日は11月24日。
成田とヒューストンとカラファテで夜を3回、迎えたのだが、現地時間では2日進んだことになっている。
頭が混乱するのも無理ない。
さて、昨夜真っ暗な中、ホテル入りし、久しぶりに横になってぐっすりと寝たのはいいけど、どんなところにいるのか、想像もつかない。
翌早朝、わくわくしながらホテルのまわりを散歩した。
ホテルはこんな感じ。
木が生えていない丘の中腹にポツンと建っている。
垣根があるわけでもなく、道が湖まで続いている。
少し離れたところにもホテルらしい家がポツンとむき出しで建っている。
土地はいくらでもあるので、せこせこと建てる必要はないのだろう。
カラファテは、氷河観光の拠点の町として、世界中から飛行機が飛んでくるようになったそうだ。
遠くにカラファテの町が見える。
ここはカラファテの郊外なのだ。
目の前にひろがる湖はアルヘンティーナ湖、英語風に発音するとアルゼンチン湖となって、国の名前そのものだ。
湖の中に小さな島が見える。
湖の中の唯一の島、ソリタリア島、ひとりぼっち、という名前がついている。
このアルヘンティーナ湖は長さが100Km、幅が20Kmと常識はずれの広さだ。
目の前に見えるのは、その大きな湖の小さな湾にあたるところだ。
湖面の海抜は188mだからそんなに高くない。
冬は、このあたりはスケートリンクになるそうだ。
ホテルの花壇にはルピナスが咲いている。
デージーも元気。
季節は春。
大地をじっくりと観察すると、小さい花が一面にさいているが、風がきつくてカメラを向けても揺れてしまって撮れない。
朝食はコンチネンタルスタイル、つまり、パンとハムやチーズとコーヒーなどの飲み物だけ。
機内食で疲れている胃にはちょうどいい。
いよいよ氷河観光に出発だ。
ホテルからすぐ近くにあるニメスラグーン(湿地帯)は鳥の保護地だ。
遊歩道が整備されていてバードウォッチングにはいいところだ。
フラミンゴもいる。
ガイドさんはスペイン語でフラメンコと言っていた。なるほど、フラミンゴはフラメンコのことね。納得。
バスから見えるカラファテの家は新しくてきれいだ。
カラファテに空港ができたころから急に人口が増え始めて、人々が移住してきているそうだ。
バスはアルヘンティーナ湖に沿って、すぐに人家のみえない荒野を走り始めた。
雪を冠った山々が美しい。
湖は氷河から溶け出した水なので、コバルトブルーだ。
もっと拡大して撮影したら青空が切れてしまった。
バスの走る道はこういうところ。
車はめったに走っていない。
まるまる2日かけてやってきたかいもあるというものだ。
今度は湖が左に見えてくる。
これもアルヘンティーナ湖だ。
昔、氷河が流れていた低地のところが、今は湖になって、木の枝が繁っているような形で長い湖になっている。
写真ストップでバスが停まった地面は花盛り。
風がきついので、草は大きくなれない。
地面を這うように生えている。
紫色のまめ科の花はどこでもよくみかけた。
名前を調べようと思って、「花 まめ科 紫」で画像検索をすると、この花とそっくりのきれいな写真があった。
が、そこを開くと、なんと、自分の過去のブログのページだったのには驚いた。
パタゴニアで買ったハンディタイプの図鑑によると、アルベヒージャ、またの名をパタゴニアンピー、とあった。
つまりパタゴニアの豆ね。
月見草もあったが、上には伸びていなくて、横に伸びている。
風がきついので、上に伸びることができないのだろう。
植物も環境に適応しながら、生存競争をしている。
期待していたとおり、花の季節、大地が花で覆われていることに感謝した。
アネモネが咲き乱れる湖畔 [パタゴニア]
バスは氷河をめざして原野を走る。
ホテルのあるカラファテから50Kmほどだから、2時間もあればついてしまうだろう。
途中に人家は見えなかったのだが、めずらしく家がみえたのでカメラを向けた。
羊を放牧している人たちが住んでいるとのこと。
湖はアルヘンティーナ湖に続くリコ水道。
出発のときには青空だったが、曇ってきた。
パタゴニアは風がきつくて、雲がすぐに飛んでしまうそうだが、その分、また次の雲がやってきて、お天気は分刻みで変わっていく。
さて、1時間ほど走ったところでトイレ休憩。
地面はタンポポで黄色くなっている。
湖は、同じくアルヘンティーナ湖に続くリコ水道。
湖の岸辺まで歩いていくと、白い花が咲き乱れていた。
アネモネの原種だそうだ。
あまりにも見事だったので、いろいろとアングルを変えて写真を撮った。
葉のつき方や葉の形が、やはりアネモネだ。
花の色は白だけ。
青空だったら、どんなにか、写真が映えたことだろう。
花期がそんなに長いわけではないだろうに、ちょうど、花盛りに出会えたことを感謝しないではいられない。
どうよ!
この豪華さ。
黄色い花はなんだろう。
パタゴニアの図鑑をみると、スペイン語ではGeum,英語でMagellanic avens。
流木もあちこちに。
流木というより、水没したために木が枯れてしまったのだろう。
リコ水道は、ペリトモレノ氷河の成長により、水道がふさがれて、出口を失うことが、数年ごとに、起きる。
このため、水位があがり、年によっては、10mを超えるほど水位が上がってしまったこともあったらしい。
そうすると、木が枯れてしまう。
水位があがってしまうと、出口での水位差が大きくなりすぎて、氷河はその圧力に耐えられなくなり、くずれてしまう。
氷河が破壊されると、リコ水道の水が一気に流れ出す。
これは、世界中の大ニュースとなる。
最近では2008年に起きているそうだ。
今は、水位が数メートルほど高くなっているらしい。
つまりもうすぐ、氷河の大崩落によるリコ水道の噴流があるかもしれない。
赤マンマのような花も咲いていた。
圧巻は赤いノートロの花。
山のふもとは、どこにいってもノートロが満開だった。
遠目には、日本のつつじのようだ。
花はかなり変わった形状だ。
船からペリトモレノ氷河に迫る [パタゴニア]
ペリトモレノ氷河が見える展望台に到着。
だが、あいにく曇っている。
今にも雨が降ってきそうだ。
満開の赤いノートロの花の間に氷河が遠くに見える。
全体の幅は3kmほどあるらしいが、見えているのは、その半分だろう。
今、リコ水道側から見ているが、アルヘンティーナ湖のほうは、見えないはず。
本当に河だ。
とうとうと流れている感じが出ている。
これから、その氷河までいくのだ。
なんだかわくわくする。
この花はなんと言う名前なのか調べてもわからなかったが、よくみかけた。
氷河と花を1枚の写真に収めるのは難しい。
何枚も写真を撮ったが、ほとんど没。
今後の研究課題。
展望台は、3台ほど停まっていて、めずらしい服装の一団が記念写真を撮っていた。
どこのお国から来たのかしら。
教会や寺院で働く人たちも、宗派や国によって、制服が異なるのはおもしろい。
どういう基準があるのだろうか。
牧師さんも制服のままで観光するのかなぁ。
氷河を眺めているのだが、足元は、花盛り。
花と氷河の組み合わせは、ミスマッチ感がおもしろい。
下の黄色い花は、図鑑によると、Viola amarilla,英語でYellow Violet.
なんだ、イエローバイオレットだって?黄色いすみれじゃないか。当たり前だ。
なんという図鑑だろう。
氷河観光は、まず船から。
船着場は、行列ができていた。
船着場から、氷河は見えない。
氷河は、今船が停まっている右側の突き当たりにある。
船が停まっているリコ水道は、氷河が対岸にぶち当たっているため、水の出口がなくなり、水位があがってしまっている。
そのために今まで使っていた船に乗る足場が、水没してしまって、板を仮設していた。
氷河が見えてきた。
雨も降ってきた。
氷河の左端から見ていこう。
氷河から崩落した氷が湖に浮かんでいる。
写真の右端の氷河の高さは60mくらいあるそうだ。
船は、氷河から300m以上離れている。
それ以上近づくと、氷河の崩落があったときに危険なのだ。
さらに拡大して。
もっと近づいて。
アリが動いているようなものが見えたので、望遠でみると、なんと人間だった。
氷河トレッキングをする人たちだそうだ。
ということは、明日、私たちも、あそこへいくのだ。
なんと人間の小さいこと!
大自然は偉大だ。