パタゴニア滞在最後の日 [パタゴニア]
豪華な朝焼けを堪能したのち、ゆっくりと食事、そのあとは、飛行機の出る12時まで、自由行動だ。
今日で、パタゴニアは終わり。
本当に名残惜しい。
ガイドさんが、博物館やショッピングのおつきあいをしますよ、と申し出てくださるのだが、それもお断りして気ままに過ごすことにする。
とはいっても、やりたいことは同じ、監獄博物館に行って、ショッピングをすることだ。
それに、おもむくままに歩き回ること。
知らない土地に行って歩き回ることは、本当に楽しい。
だが、危険も多い。人間はそれほどこわくないけど、猛獣はいかんともしがたい。
ここはフェゴ島なので、猛獣のピューマはいない。
この辺でこわそうなのは、野犬だが、ウシュアイアの町中を歩く限りは、大丈夫だろう。
で、海岸沿いを監獄博物館まで歩くことにする。15分ほどかかるようだが、写真を撮りながら時間を気にしないでのんびり歩くので、30分ほどかかるだろう。
地の果てでの最後のひとときをゆったりと過ごすのもいいものだ。
ホテルから、だらだらと坂を下りていくと、すぐにエンセラーダ湾に出る。
風の大地、パタゴニアにもかかわらず、今日は風がなく、エンセラーダ湾は鏡のように静まり返って、周囲の景色を映しこんでいる。
下の写真の手前が、エンセラーダ湾、住宅がある陸地は、ウシュアイアから伸びている半島になっていて、飛行場がある。
その奥はウシュアイア湾、その奥の山はチリのナバリノ島のはず。
さらに続けて。
半島側から、ウシュアイアの町をみる。
下の写真の山の中腹にあるホテルが、泊まったところ。
ウシュアイアが一望のもとに見渡せる絶好の場所だったことに感謝。
さらにウシュアイアの町の中心からはずれる方向にカメラを向けると、エンセラーダ湾への映り込みがトリッキーな写真 になった。
この奥のほうに湾の出口があるはずだが、ここからは見えなくて、湖のようにみえる。
エンセラーダ湾とウシュアイア湾をさえぎる半島へは、わずか、50mにも満たない狭い陸地があるだけだ。
隣の、ウシュアイア湾も波がほとんどなくておだやかだ。
観光用のヨットもまだ眠っている。
朝焼けの名残をとどめる空はどんよりと曇っている。
海辺には、見たこともない鳥がいる。
首の後ろに長い髪飾りをたらした鳥は、パタゴニアの図鑑をみても名前がわからない。
この鳥も青みがかった頭とくちばしで、特徴があるのだが、名前不詳。
真っ白のあひるみたいな鳥は、多分、カウケンではないか。
パタゴニアのいたるところで、カウケンは見ることができる。
なぜ、カウケンとわかるか、というと、この鳥は、必ず、つがいになっているから。
オスとメスで色が違う種類もあるそうだ。
白い鳥の後ろに黒い鳥がうずくまっているが、この白と黒とで、多分、つがいなんだろう。
その、もう1羽の黒いほう。
どちらがオスかメスかはわからない。
ウシュアイア湾には、難破したような船が停泊している。
セント・クリストファー号という名前だそうだ。今はすでに動いていなくて、町のシンボルのようだ。
今にも沈みそうな傾きかけた船も、ここ、荒れ狂うビーグル水道では、観光資源になるのだ。
過去にこの海峡で座礁した船は数多いのだろう。
曇ってはいるものの、風がなく、気持ちのいい散歩だった。
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